突発性発疹とは?熱が下がって発疹が出たとき

「3〜4日高熱が続いたあと、熱が下がったと思ったら全身に発疹が出た」。乳幼児でこのような経過をとる代表的な感染症が、突発性発疹です。

高熱の最中には原因が分からず、解熱後に発疹が出て初めて「突発性発疹だった」と分かることも少なくありません。

突発性発疹の典型は「高熱のあと、解熱してから発疹」です。発疹そのものより、発熱中の全身状態、けいれん、意識状態などを確認することが重要です。
目次

突発性発疹とは?

突発性発疹は、主にヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)や7(HHV-7)の初感染で起こる乳幼児の感染症です。

日本小児科学会によると、6〜24か月頃に最も多く、39.5℃以上の高熱が3〜4日続いたあと、解熱とともに発疹が出るのが典型的な経過です。

症状の流れ

1 まず高熱が出ます

39℃台〜40℃近い発熱が数日続くことがあります。高熱のわりに比較的元気に見える子もいますが、機嫌が悪い、食欲が落ちるなど症状には個人差があります。

2 熱が下がってから発疹が出ます

解熱する頃に、体幹を中心として赤〜ピンク色の小さな発疹が多数出ます。首や四肢へ広がることもあります。

発疹は通常、数時間〜数日で自然に消えていきます。

発疹はかゆい?

突発性発疹の発疹は、一般に強いかゆみを伴いません。発疹そのものに特別な塗り薬が必要になることも通常はありません。

ただし、発疹が強くかゆい、水疱がある、紫色で押しても消えない、粘膜症状があるなどの場合は典型的な突発性発疹とは異なる可能性があります。

どうやって診断する?

通常は、年齢と「数日間の高熱→解熱→発疹」という経過から診断します。

発熱している段階では発疹がまだ出ていないため、突発性発疹と確定できないこともあります。尿路感染症、中耳炎、その他のウイルス感染症など、別の発熱原因も考えながら経過を見ます。

発疹が出た場合でも、薬疹など他の発疹性疾患との区別が必要になることがあります。

治療は?

健康な乳幼児の突発性発疹に対しては、基本的に対症療法です。ウイルスを直接治すための抗菌薬は効きません。

  • 水分を少量ずつこまめに取る
  • つらそうな場合は、医師の指示に基づき解熱薬を使う
  • 食事が取れなくても、水分と尿量を確認する
  • 発疹には通常、特別な治療を行わない

熱性けいれんに注意

突発性発疹では、高熱に伴って熱性けいれんを起こすことがあります。日本小児科学会も合併症として熱性けいれんを挙げています。

けいれんが起きたら、口に物を入れず、顔を横に向け、けいれんの時間を確認してください。長く続く、繰り返す、けいれん後に意識が戻らない、呼吸がおかしい場合などは救急受診が必要です。

まれですが脳症を合併することもあるため、発疹よりも意識や全身状態の変化を重視します。

保育園はいつから行ける?

日本小児科学会では、解熱し、機嫌がよく、全身状態が良ければ登園可能としています。

発疹が残っているだけで、必ず登園を延期しなければならないわけではありません。ただし、園ごとのルールや自治体の運用がある場合はそれに従ってください。

感染はどう広がる?

HHV-6BやHHV-7は、家族や保育者などの唾液を介して感染すると考えられています。多くの大人はすでに感染歴があり、症状がなくても唾液中にウイルスを排泄することがあります。

食べ物の口移しや、歯ブラシ・食器の共用など、唾液が直接触れる行為はできるだけ避けます。

すぐ受診した方がよいサイン

  • ぐったりして反応が悪い
  • 水分がほとんど取れない、尿が少ない
  • 呼吸が苦しそう
  • けいれんが長く続く・繰り返す
  • 意識が普段と違う
  • 高熱が長く続き、解熱しない
  • 紫色の発疹、出血斑、水疱、口や目のただれがある
「熱が下がって発疹が出た=必ず突発性発疹」ではありません。全身状態が悪い場合や、典型的でない発疹がある場合は、別の感染症や薬疹などを考えて診察が必要です。

実際の診療なら、僕はこう考えます

1 発疹だけではなく、発熱の経過を聞きます

突発性発疹は「発疹の形」だけで診断する病気ではありません。何日熱が続いたか、いつ解熱したか、発疹がいつ出たかという順番がとても重要です。

2 解熱後に元気なら典型的ですが、元気がなければ別に考えます

熱が下がって発疹が出て、機嫌や食欲が戻っているなら典型的です。一方、解熱してもぐったりしている、意識がおかしい場合は突発性発疹だけで説明しないようにします。

3 発疹そのものに強い治療はしません

典型的な突発性発疹なら、発疹は自然に消えます。塗り薬を増やすより、水分や全身状態の確認を優先します。

4 薬を使ったあとなら薬疹も確認します

発熱中に抗菌薬などを開始し、その後発疹が出た場合は、感染症による発疹なのか薬疹なのかを経過から考えます。薬を自己判断で再開・中止する前に相談してください。

まとめ

突発性発疹は、主にHHV-6B・HHV-7の初感染で起こり、乳幼児に多い感染症です。数日間の高熱が続いたあと、解熱とともに発疹が出るのが典型です。

多くは自然に改善しますが、熱性けいれんや、まれに脳症を合併することがあります。発疹そのものより、意識・呼吸・水分摂取など全身状態を確認してください。

参考文献・情報源

医学情報の確認日:2026年10月20日。

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AUTHOR

日本専門医機構認定 皮膚科専門医
元・総合病院皮膚科医長。現在は新潟のしむら皮膚科クリニックに勤務。
将来、札幌で皮膚科を開業予定。
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